保健学類長 ご挨拶

医学展に向けて

 先ずは医学展が今年も充実した内容で開催されることを心から祝福します.ところで小説家で尼僧の瀬戸内寂聴さんが対談で,「若者は恋と革命をしなさい」のようなことを言われていました.言葉だけからは色々な意味を連想させられますが,私なりに解釈しますと「恋」は単に恋愛ではなく広く捉えて”何かに夢中になる”ことであり,「革命」は社会変革を起こすことではなく”自身の固定観念から脱却する”ことと考えます.なかなか良い言葉ではありませんか.主催スタッフの皆さんは医学展の企画や準備に極めて大変であったと察しますが,医学展に夢中になって日常に埋没している自分を変えることができたとしたら,それぞれ恋と革命を行ったとも言えます.皆さんの恋と革命が結実して医学展が盛会に終えることを祈念しています.ご来場の皆様も今年はどの様な企画が用意されているか楽しみにしてください.

 最後に医療の主体であり中心はまぎれもなく患者です.すべての医療人は主体である患者に寄り添って援助すべきであり(そのためにチーム医療が存在),決して医療人が医療の主役であってはなりません.教育の主体である学生の皆さんがこの関係性を医学展の催しを通して再認識することを願ってやみません.

金沢大学医薬保健学域保健学類長 宮地 利明